たにぞうのブログ

エロゲの感想を書いていきます。たまに他のことも書くかも

エロゲ(ビジュアルノベル)とアニメ それぞれの背景について

 たにぞう。エロゲのアニメ化によってエロ的な良さが失われるとかそういう話ではないので悪しからず。

 グリザイアシリーズ分かるだろ?分かんないなら帰れ。あれって結構アニメで良いとか聞くじゃん。原作至上主義過激派としては見過ごせなかったのでアニメを見たんだよ。あれアニメでいいわ。とまあそんなわけで、漏れは、大筋のストーリーやキャラクターは同じであるのにも関わらず時間が短く済んで面白さも上に感じるアニメという媒体にビジュアルノベルが負けているんじゃないかと思ってしまったわけだ。

 それでも漏れはビジュアルノベルが好きなので、アニメとビジュアルノベルとを比較してお互いの良さを発見できたら良いなと思い、こんな記事を書いている。

 今回書くのは背景の演出について。これに関しては一長一短というか、逆とすら言える良さをそれぞれが持っていると感じる。漏れのイメージでは、ビジュアルノベルは引き算でアニメは足し算。

 これは主に時間の進み方が関係していて、ビジュアルノベルはプレイヤーの行動によってのみ(オートは除く)時間が進むため、必要な情報はいくらでもテキストに詰め込める。それに伴ってテキスト以外の部分の情報は当然無駄なものとなるため、テキストと連動している部分(立ち絵の表情や背景の変化等)を除いて少なくなる。

 他方、アニメは何もしなくても勝手に時間が進んでいくため、限られた時間でいかに視聴者に情報を渡せるかがストーリーを理解するために重要になる。そのため、セリフ以外の部分にも気を配る必要がある。

 今書いたことは、特に背景に焦点を当てると分かりやすくなる。ビジュアルノベルの背景はシンプルなものが多い。何が起きてもテキスト上で説明されるからだ。つまり、極論プレイヤーに違和感を抱かせないためのハリボテとすら言える。変化する背景もあるにはあるが、それもテキストに合わせているだけという事例がほとんどだ。

 だが、アニメは違う。アニメの背景は時にキャラクター以上に饒舌になり、視聴者に膨大な情報を与える。道端の花ですら花言葉等何かしらの意味を持ちうるのだ。引き算と足し算というのはこれで大体はわかるだろうか。

 それぞれの良さについてだが、ビジュアルノベルの背景は情報を正確に受け取りやすい。もちろんライターによって左右されはするが、叙述トリックでもなければ書いていることをそのまま受け取ればいいので、しっかり読んでさえいればある程度は理解できる。また、全く同じ背景を長い時間見ることになるので一つ一つの背景が頭に残り、それぞれ日常や戦いなどを象徴し始め、より臨場感が出る。

 アニメの背景はビジュアルと意味が結びついているため、より直感的に理解できる。先ほど述べたようにアニメの背景に描かれたものはその悉くが意味を持ちうるため、より深い理解のために視聴者はその意味について考える必要がある。花であれば花言葉、交差点であれば断絶等、挙げればキリがない。そもそも、一部の完全にイメージが固定されたものを除けば捉え方も無数にある。なんだか分かりづらいようにも思えるが、分からないものはインターネットを利用すればよいし、あまりメジャーでないものはストーリーをある程度理解していれば意味は自ずと分かってくるので、最後は読解力の問題になる。

 まあ簡単にまとめると、背景の演出においてビジュアルノベルとアニメそれぞれに良さはあるけど、ビジュアルノベルと比べてアニメは難しいってことやね。