はじめに
たにぞうです。そろそろまともな記事を書かなければいけないと思い、感想を書くことにしました。最近は記憶力が死んできていて、内容を思い出すのも一苦労なのですが、これなら書けるだろうとなんとか今回捻り出したのが『赫炎のインガノック』です。本作品は2007年にライアーソフトから発売されたアダルトゲームです。その独特の雰囲気から、今なおコアなファンを多く抱えています。それでは、感想に移ります。
1.UI
イマイチです。バックログは見づらく、ジャンプもなし。2007年頃となるとある程度は仕方ないとも思えますが、それでも多少不便な部分が目立ちます。ゲーム部分も、正直ちんぷんかんぷんな人が多いと思います。攻略サイトに従って見ていくほうが頭に入りやすいと思われますので、難しければ無理せず攻略サイトを見るのが良いでしょう。
2.音楽
かなり評価できます。ソフト起動時にOPムービーが流れるのですが、Blueberry&Yogurtの手がける、Rita氏の歌声を最大限に活かしたそれには思わず圧倒されました。本作品はいわゆる"雰囲気ゲー"として語られることが多いのですが、その雰囲気を一気に脳に叩きつけてくる圧巻の出来と言えます。逆に言えば、OPを見てしっくり来なかった方には、購入はおすすめしません。
また、BGMもかなりの出来です。戦闘シーンの緊迫感溢れるものから日常シーンの軽快なものまで、一切の隙がありません。
EDも、結末をしっかり噛み締められる良い曲です。ネタバレになるので、多くは語りません。是非クリア後にお楽しみください。
3.グラフィック
かなり好みが分かれます。典型的なエロゲの絵とはかけ離れており、塗りもかなり独特なものになっています。しかし、この独特のグラフィックあっての雰囲気ですから、雰囲気が気に入った人は気に入ること請け合いです。
4.キャラクター
最高です。メインを張り続けるキャラクター以外にも、それぞれの矜持を持っているキャラクターが多く生きていて、世界によく浸ることができました。
ギー
(フルボイス版のみCV : 古河徹人)
凄い能力持ちの巡回医師です。常に憂いを帯びた表情を浮かべています。「人を助けたい」それ以外のあらゆる欲求が欠落しています。
キーア(CV:かわしまりの)
ギーのところに押しかけてきた本質ヒロインです。一切の素性が不明ですが、ある程度いいところで育った様子。皆に笑顔を向けることができる良い子です。
アティ(CV : 野月まひる)
明るく、少し皮肉屋な本質ヒロイン。混沌とした世界を生き抜くため、荒事の場に身を置いています。
ケルカン(CV : 越雪光)
殺し屋です。ギーに敵意を向けています。
ルアハ(CV : 青山ゆかり)
主を失った自動人形です。自我と感情がかなり薄いですが、キーアにはよく懐いています。
レムル・レムル(CV : Rita)
わかりやすい敵キャラです。ずっとイキっています。
前述のとおりに他にも魅力的なキャラクターは多くいますが、キャラクター紹介がメインではありませんので、省略します。
5.演技
全体的にかなり高レベルだと思います。特定のシチュエーションでボロが出るということもありませんでした。ストーリーを楽しむのに一切の邪魔にならず、むしろ没入感を高くしてくれました。
6.シナリオ
これまた好みが分かれます。回収されていない要素が多く、風呂敷を広げた割には小さくまとまっている印象。自分は最後にゲロを吐くほど泣きましたが、音楽と雰囲気が大きかったと思います。
7.テキスト
ここが一番評価の分かれる部分だと思います。言葉にするなら、事象を膨張させて書いているといった感じです。人によっては苦痛ですが、刺さる人には刺さるので、体験版で確かめてみるのが良いでしょう。
8.Hシーン
壊滅的です。まず期待するべきではありません。いや、私はアティのシーンで抜きましたが。一般エロゲーマーが求める基準に達していないことだけは確定的に明らかです。大人向けの童話とでも思っておくのが良いでしょう。
9.総評
体験版が合った人だけプレイしてください。どのエロゲにも言えることかもしれませんが、本作品は特にです。他の作品であれば、後から面白くなることもあるかもしれませんが、本作品でそういったことは確実にありません。体験版が合わなければまず合いません。とにかく体験版をプレイして、それから決めてください。
10.注意
本作品はシナリオライターの桜井光氏が手がける「スチームパンクシリーズ」の2作目になります。全作品が世界観を共有しているので、本作品が気に入ったのであれば、他作品にも手を出してみることをお勧めします。ただ、ヴァルーシアはなるたけ後の方にプレイしてください。用語が分からず、心が折れます。(1敗)
また、本編の後日譚としてWebノベルが無料公開されています。クリア後に読みましょう。
おわりに
ネタバレなしの記事となると、やはり面白みに欠けますね。ですが、新規さんの楽しみを半減させるわけにもいきませんので、このスタイルはどうにか貫くつもりです。何か改善点等あれば、コメントで教えていただければ幸いです。つたない文を最後まで読んでいただきありがとうございました。